野道より2

モンシロチョウが一羽、踊り子草の小さな花にとまっていた。近づいたら逃げた。 DP2

野道より1

耕作を放棄された田畑は数年で雑草に覆われる。根を張れる環境があれば先を争っての陣取り合戦だ。だが、ここもやがて埋め立てられ、アスファルトで固められる。 DP2

no title

以前には、モノクローム写真は全階調を出さなければだめだと思い込んでいたころもあった。そのため、何を表出したいのかを忘れて、プリントの調子ばかりにこだわっていたような気がする。今では、階調のための表現ではなく表現のための階調なのだ、と自分に…

no title

私が写真を始めたころにあこがれた写真家の一人に Ernst Haas がいる。カラー写真の勃興期から、色彩による写真表現を開拓していった先駆者の一人だ。カラー技術そのものが現在よりはるかに制約の多かった時代を思えば、彼の作品はほんとうに美しく斬新だっ…

桜咲く

三寒四温というが今年は五寒二温ぐらいの日々だ。我が家の近くの桜もようやく満開となった。ところが私は桜というものは見るだけでよく、撮る意欲がわかないのだ。それでも、がんばって咲いた桜に敬意を表して一枚。 DP2

夜の散歩

前回と同じ場所での別シーン。モノクロームで。 DP2

赤い扉

久しぶりにカメラを持って夜の町に出た。日曜日でも人出がなく、ぶらついている自分が怪しいもののようだ。何の店か赤い扉が静かに来客を待っていた。 DP2

夏の日まで

季節外れの浜茶屋はさびしい。陸に揚げられ、伏せ置かれたボートがぼろかったりすると、ますますわびしい雰囲気となる。せめて少しばかりソフトフィルターなどかけてやって、にぎやかな夏までまどろんでいてもらおう。 Contax Aria E100G

最終便

前回に続いて夜歩き写真。建物と船の組み合わせが面白いと思ったのだが、今みると構図もなにも工夫がない。だけど、ちょっとでもカメラを振ると余計な物がずらずら入ってくるのが現実だ。と言い訳しておく。しかし、ズームレンズは使いたくないしなあ。 Mino…

猫の時間

以前はけっこう夜の光景を撮っていたのだが、最近はさっぱり夜歩きしなくなってしまった。その以前の写真を整理していたらこんな一枚がでてきた。街灯に誘われてここへ来たのだった。ふと動くものに目をやると猫がいたのだ。しばらく動かないでくれよ、と言…

たそがれまで

冷たい海風の吹く砂丘の遊歩道はさびしい。遠くに犬と寄り添う人影があるだけ。日が沈むにはまだ早いのに、西日の色にはもうアンバーがとけだした。ひとの心までやさしくするような光のひととき。昔写真を習い初めたころ、こんな光を色温度が低いと言うこと…

少年の帆

モノクロ写真ばかり作っているせいか、ファインダーをのぞいてもモノクローム効果ばかり考えている。で、たまにはカラーで表現してみようと思った。いきなり豪華フルカラーでは身体に悪いので控えめに、と考えたらやっぱりモノクロームになった。そんな写真。…

機械仕掛けの明日

枯葉で遊んだついでに、もう一枚遊び撮影の写真を載せよう。もっとも遊びと言っても、これとて自分としてはある意図を込めたのだが、どう受け取られるものやら。 なお、フィルムスキャンと調整以外にCG的なテクニックは全く使っていない。 HASSELBLAD 503CW …

枯葉の肖像#2

枯葉の写真をもう一枚載せることにする。#1と同じ種類の葉だが、形が変わると印象が変わる。 それにしても、枯葉を擬人化して遊んでいるわたしはだいじょうぶか。 pentax645N RTP

枯葉の肖像#1

枯葉の肖像を撮ってみようと思った。朽ちていく前の姿を。木の葉というものは、枝についてしなやかに揺れているときは、どれも似たようなものだが、枯れ落ちて地上に横たわってからは、それぞれにねじれ、ちぎれてやがて消えていく。その中に時として凛とし…

蒲原平野

奄美の旅から帰り、また真冬の世界へともどった。雪はかなり減ってはいたが、日本海からの烈風はあいかわらずだった。カメラのレンズをかばいながら、奄美では見ることのなかった凍てついた水田の平野を見ていた。そして迎春のよろこびというものは確かにこ…

田中一村

奄美大島旅行の大きな目的の一つは、田中一村の作品を見るためだった。若くして南画の天才として嘱望されながら、すべてを捨ててここに移り住み、奄美の自然を描きながら没した画家だ。彼の渾身の遺作を田中一村記念美術館に見た。画集では得られない異質の…

奄美の夕景

旅の最終日、夕方の大浜海岸にいた。天候のせいもあり意外と地味に陽は沈んだ。夕焼けはほとんどなかった。東シナ海を遥か沖縄へとつづく琉球弧の島々を思った。浜一面に撒かれたような珊瑚のかけらを拾って帰った。 DP2

奄美の光

二月といっても奄美はさすがに南国。曇り日でも大地に降る光の量は多かった。まるで巨大なデフューズボックスの中にいるようだ。マングローブパーク近くの公園での一枚。それにしても主題の無い写真だ。 DP2

奄美の森

今年の二月初めて奄美大島に行った。奄美は祖父の故郷。あいにくの小雨と寒気で南国らしさは半減。それでも気温16度、大雪の中から出かけた身には十分暖かい。山の展望台から奄美の森を見る。亜熱帯の照葉樹林に埋まる山体は日本の原風景であろう。この光…

冬の終わりとブログの初めに

まだ終わってはいないが厳しい冬だった。けれども子供のころの冬はこんなものではなかった。屋根の雪を降ろす父を何度見たことだろう。それでも雪は、子供たちにたくさんの遊びを与えてくれた。子供であった私にとって、冬はまさに一夜にして出現するwonder-…